おばあちゃんよりも長生き、そんなレースとの出逢い。
「アンティークレースの魅力」
それは、風合いや色味の美しさだけではなく、
100年以上長い年月を経て人と共に物語を
刻んできたこと。
時代を超えて受け継がれてきたものだからこそ
魅力を感じるのだと思います。
まずは「私とアンティークレースとの出会い」
についてお話したいと思います。
私がアンティークレースと初めて出会ったのは、
大学時代に行った、ヨーロッパの品を扱うお気に入りの古着屋でした。
小さなショーケースの中で「それ」は、誇らしげに
こちらを見ていました。同じように並んでいる
パールのネックレスやキラキラした宝石とは違い、
色は褪せてところどころほつれたような風貌。
でもとても魅かれる存在。
「これは、何ですか?」恐る恐る店員さんに
尋ねました。
「これは、アンティークレースですよ。
おそらくレ・ミゼラブルの時代につくられたものです。
この時代にこれだけの状態で残っている事は
ほとんどありません。」
という答えが返ってきました。
およそ100年位も前に生まれたレース!!
うちのおばあちゃんより長生き!!
そんなにも長くレースだけが生き残ることは衝撃でした。
それは、大学生でお金がなかった私には
到底買うことができない金額の代物で、
ただ眺めているだけでしたが、
その美しさ、身にまとう「時間」に
ただただ圧倒されるばかりでした。
それからというもの、あの時の感動を
忘れられなくなってしまった私は、
雑貨屋さんや古着屋さんをはしごしてまわり、
すこしずつ、アンティークレースを
コレクションするようになりました。
初めはなんだかもったいなくて、
飾るだけでしたが、次第に小さなパーツを
手作りの作品に使うようになりました。
いろんなお店にいって、
店員さんとお話しをするうちに
アンティークレースのことをどんどん知ることができ、
その魅力にひきつけられました。
不思議なのは全くと言ってよいほど
同じレースに巡り合わないことです。
似ていても、何か表情が違う。
今この時にしか出会えない
「一期一会」を感じるようになりました。
大量生産で何でも簡単に手に入る時代だからこそ、
果てしない時間と手をかけ編み上げられた
アンティークレースに魅かれるのかもしれません。
大切な人の幸せを祈って
一針一針想いを込めて作られたもの、
レースには強い想いがこめられているからこそ、
心を揺さぶるのでしょう。
その時しかめぐり合うことのできない
アンティークレース。
是非一度、アンティークレースを取り扱っている
雑貨屋さんや古着屋さんに行ってみてください。
そしてお気に入りを見つけて、
お家に連れて帰ってあげてください。
そしてモノづくりをされる方なら、
少しだけカットして使ってみると
作品のイメージがガラッと変わります!
でも一つだけお願いがあります。
どんな小さなかけらでも、
捨てずにとっておいてほしいのです。
絶対に違うものに生まれ変わるから。
お洋服に使われたアンティークレースはもちろん、
使わなくなってしまったアクセサリーなんかも、
私は取り外して、また使えるように残してあります。
そんなアンティークレースで、あなたも暮らしを彩ってみませんか?
次回は「暮らしにアンティークレースを
簡単に取り入れるには?」について
お話したいと思います。
皆様の毎日がHappyで輝く日々でありますように。
cawaiiArt 店長 碩 文香